第59章 【研磨・菅原・国見】オムニバス~11月11日~
私は今日、授業をサボります!!
だって、こんなにお天気がいいのに
どうして授業なんて受けなきゃいけないのか。
全然理解が出来ない。
私は今日買ったポッキーを持って屋上に行く。
扉を開けると、やっぱりちょっと寒くて、
それでも私はお気に入りのひざ掛けを持ってズンズン先に進んだ。
「ん?」
そこには既に先客が居て、先に越された。とちょっと落ち込んだ。
ゆっくりその人影に近づくと、それは眠っている国見くんだった。あまり話した事はない。いつも欠伸をしている印象しかない。
じっくり顔を観察すると、まつ毛が長くて、お肌もキレイで、ちょっと女として嫉妬してしまう。
私は彼の横に寝そべった。
空はほとんど雲がなくて、キレイな空色をしていた。
「・・・誰?」
隣から声が聞こえる。
「おはよう」
私が国見くんを見ると、国見くんも私を認識して、おはようと返した。
「何食べてんの?」
「ん?ポッキー。食べる?」
片手に持っていたポッキーの袋を彼の方へ差し出し、
手に持っていたポッキーを口に咥え、また空を見た。
「いただきます」
その言葉と共に、私の視界は空ではなく、国見くんのキレイな顔に変わった。
ポキッ
「ご馳走様」
そう言って彼は屋上を後にした。
彼の背中を見送って、また私は空を見る。
ポキッ
ポキッ
ポキッ
「国見くん、ちゃんとチョコの部分食べたのかな?」
最後の一口はちょっぴり湿り気があり、彼のぬくもりを感じた。
なんとなく、私はそれ以上ポッキーを食べなかった。
「ふふふ!いい天気だーーー!!」
私はグッと伸びをした。
TheEnd