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【★ハイキュー!!★】短編集

第17章 【縁下 力】隣の席は縁下くん


「縁下くんってさー、人畜無害って感じだよねー」

「怒ったとこ見たことないしねー」

昼休み、一緒にお昼を食べていた友人達が
みんなのプリントを集める縁下くんを見てそう言った。

「そっ、そうだ…ね」

私は口に含んでいたおかずをゴクリと飲み込んだ。

「やっべー!プリントやるの忘れてた!
佐藤!ちょっと写させて!」

近くにいた私に田中くんはそう頼んできた。

「あっ、うん。はい、これ」

私がプリントを差し出すと
田中くんはその場でプリントを写していた。

「さんきゅー!助かったぜ」

予鈴が鳴るギリギリに田中くんはプリントを提出していた。







ガラガラ

「こらー!早く席に着け!」

先生が教室に入ってきて、
私たちは急いで自分たちの席へ戻った。

ガタン

ビクッと縁下くんの方を見ると
あの怖い笑顔で私を見ていた。

「ねぇ、またお仕置きが必要なのかな?」

分かっていた。
また田中くんと仲良くしていたら
縁下くんに怒られること。

でも、その怖い一面が私以外の女子には
向けられていないと思うと、
なんだか、その縁下くんの隠れた一面を独占したいって
思ってしまったんだ。

「…お仕置きが…必要かも…です」

私がそう言うと、縁下くんは少し驚いたような顔をした後に
今までに見たことのない満面の笑みを見せてくれた。

「へぇ…佐藤さんってドMだったんだ」

「えっ!?違っ!!」

私は驚いて大きな声を出してしまった。

「こら、縁下!佐藤!
何さっきからしゃべってんだ!廊下に出てろ!」

私たちは廊下に立たされてしまった。

「いつの時代だよ…」

そう言って縁下くんは笑っていた。

「また、お仕置きしなきゃいけなくなったね」

いたずらっ子ぽい縁下くんの顔が
私の心を鷲掴みにする。

「声出しちゃダメだよ?」

そう言って、縁下くんは私にキスをした。


TheEnd
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