• テキストサイズ

【イナズマイレブン】桜の花びらに乗せた夢

第1章 温泉の街で出会った少女


 
「忘れてたー!」


 おじさんの話の途中でそう叫び、香織は血相を変えて一目散にどこかへと走り出してしまった。

「あーあ」

 おじさんは愉快そうに笑って、吹雪にもう一度、礼を言って頭を下げてからトラックに乗って立ち去った。

「……なんか、慌ただしい子だったな」

 一連の様子を側から見ていた円堂が吹雪に話し掛ける。

「そうだね。でも……」

 吹雪は少女が走り去って行った方を見て、垂れた瞳を眩しそうに少し細めた。


「……また、すぐに会えるような気がする」


 彼の髪を夕方の温泉街に吹く風がふわりと撫でる。ーーこれが運命の出会いを示しているかのように……。

/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp