第3章 桜ヶ丘中学校サッカー部
女の子の後ろについて、中へ入るとそこには広いグラウンドが広がっていた。しっかり手入れをされていて、とても綺麗だ。
「……連れて来たわよ」
女の子は入り口に背を向けて、準備体操をしていたユニフォームを着た人たちに声を掛けた。
「ありがとう、真夏」
フードを被った華奢な人物が女の子にお礼を言う。そして、雷門イレブンの前へと歩みを進めた。
「……」
その人物は円堂の前まで来ると、立ち止まってフードを取った。
「な!? お前は……」
フードを取った人物は『ホテル 春の湯』の若女将である香織だった。香織はにこりと笑った。
「ようこそ、桜ヶ丘中学校サッカー部へ」
「あ……」
開いた口が塞がらない。
「な、何で……」
「何でって、私は桜ヶ丘中のサッカー部員だもの」
「え!?」
部員たちは目を丸くする。
「サッカー部の……」
「部員……」
「ええ」
彼女はニコニコと笑っている。
「改めて、桜ヶ丘中学校サッカー部キャプテンの瀬戸内香織です。よろしくね」
「キャプテン!?」
驚きすぎて、円堂は一歩後退った。
「そして、私のチームメイトよ」
香織が後ろを振り向くと、桜ヶ丘中サッカー部の部員たちはフードを取った。その中には、女の子が数人混じっている。