第3章 桜ヶ丘中学校サッカー部
「着いたわ」
そうこうしているうちに、とある場所に着いた。それは大きなドーム型の建物だった。
「も、もしかして……ここが……」
「サッカー部専用のグラウンドよ」
「えええ!?」
雷門サッカー部のメンバーは口を大きく開けて驚いた。
「こんな立派な施設があるのか……」
「帝国学園みたいだな……」
「あ、ああ……」
鬼道も呆気にとられている。
「ここのサッカー部に所属しているメンバーはこの温泉街でホテルを経営している人たちの子どもばかりなの。そこから寄付金を募って建てられたのよ」
「へ、へー……」
「つまり、金持ちの遊びとしてやってる人が多いってことではないのですか?」
「ちょっと! 目金くん!」
春奈が失礼な言い方をする目金を注意した。
「だって、そうじゃないですか。全国大会にも出場していない、有名じゃない学校がこんな立派な施設を使っているだなんて、どう考えてもおかしいじゃないですか」
「言っとくけど」
目金の言い分に、女の子は彼を鋭く睨んで口を挟んだ。
「うちのサッカー部は県大会で1位になったわ。本来なら、全国大会にも行けた」
「え!?」
部員たちは目を丸くして驚いた。
「じゃ、じゃあ、何で全国大会に出なかったんですか!」