第3章 桜ヶ丘中学校サッカー部
「ここが桜ヶ丘中学校か……」
朝、香織に場所を教えてもらった円堂たちイナズマイレブン一行はイナズマキャラバンで桜ヶ丘中学校へと向かった。山の上にあるその学校は周りを桜の木に囲まれていて、春になると綺麗な桜並木になる。
「今日は休日だから、サッカー部も活動をしてるって聞いたけど……」
一之瀬はグラウンドを見回した。
「どこにもいないな」
「あなたたち」
みんながサッカー部を探していると、1人の女の子が声を掛けてきた。とても派手なピンクのジャージを着ている。
「ここに何の用?」
「え、えっと……」
「俺たち、ここにサッカー部があるって聞いて来たんだ。練習試合をさせてほしくて!」
「練習試合?」
その女の子は怪訝そうに眉根を寄せた。
「……あー、そういうことね」
そして、納得したように1人で頷いた。
「案内するわ。ついて来て」
そう言うと、女の子はさっさと歩き出してしまった。全員それについて行く。
「なあなあ、ちょっと上から目線じゃないか? あいつ」
塔子は小声で円堂に話し掛ける。
「うーん、そうか?」
「お前なあ……」
塔子はため息をついた。
ーーこいつはそういうところは気にしない。今、頭の中を占めていることはサッカーのことだろう。