第1章 *悪い夢【リヴァイ】進撃*
「兵長っ!!」
夜中に女部屋に響いた危機感溢れる声。
叫んだのは調査兵団の。
額に汗を滲ませて息を乱していた。
「ゆ……夢…?」
そう、彼女は夢を見ていたのだ。
壁の中に奴が現れ、そこであのリヴァイが巨人に殺られてしまう夢を。
彼に限ってそんな事はないと思いながらも、あまりにもリアルな夢だった為に……はいてもたっても居られずリヴァイの部屋へとこっそり向かった。
「兵長……」
部屋の前に辿り着いたが、辺りも部屋の中も静かで明らかに休んでいるというのがわかる。
ノックして今直ぐ彼の姿を見たいと思う。
けど手をグーにしたままドアを叩く事が出来ないでいた。
「夢なんだから……気にする事ない、よね……」
眠りの邪魔はしたくない。
時間も時間だし、ここは明日の朝まで待とうと決めたは今一度扉を見つめ……部屋へと戻ろうとした。
……が。
「きゃっ!」