第12章 *なら及川、お前が退け【岩泉一】ハイキュー!!*
〝先を越される〟
そんなのとっくに考えてた。
学年違うし、普段はどうやって過ごしてるかなんて分からない。
もしかしたら仲の良い男がいるかもしれないし。
だからそろそろ伝えようと思ってた。
けど「いつがいいか」なんて考えてたら流れてしまっていたのだ。
「お話って何ですか?」
「お前、相変わらず男はいねぇのか?」
「はい!いませんっ!」
「そうか。なら良かった」
「?」
「付き合うか、俺達」
「……えっ」
「嫌か?」
「い……いえ!嬉しいです!あの……よ、よろしくお願いします!」
「ああ」
及川の言葉にドキッとしたのは確かで、もういつでもいいだろ!と心に決めての告白。
嬉しそうに笑うを見てこちらも目を細めてしまうが、結構緊張していた。
女に「好きだ」と言うのは、俺にとったら寿命を縮めるくらいの大イベント。
……でもあれ、俺「好きだ」って言ったっけ?
「今日から送ってやる。帰るぞ」
「はいっ!」
「それと言い忘れてたけど……」
「はい、何をですか?」
「……好きだ、お前の事」
「はいっっ!!私も大好きです!」
「ほら、行くぞ」
「えっ、な、名前……」
「あ?」
「いえ!ハジメ先輩〜!」
「あ!コラくっ付くんじゃねぇ…!」