第12章 再会
「誰かと待ち合わせ?
俺とお茶でもしない?」
…なーんだ。またナンパかぁ。
繁華街だけあって、毎日のようにナンパされる。
こんなとこに一人で座ってるんだもん。
ナンパ待ちだと思われても仕方ないかもしれない。
「いえ、待ち合わせなので…」
「でも、よくここにいるよね?
誰かが来るの、見たことないんだけど…。
たまにはいいじゃん。
行こうよ」
手を強く引っ張られて、自分の意思とは関係なく立ち上がってしまう。
「やめて下さい!」
思ったより大きな声が出て、周りの人たちがこっちをチラチラ見てくる。
「いいから来いよ」
ナンパ男は、人目を気にしてこの場を離れようとして、よけいに強い力で引っ張ってくる。
やだ…怖いよ…。
その時、場所に不釣り合いな、幼い声が聞こえた。
子ども…?