第11章 もう一度
私はテレビの前にかぶりつく。
仮面レンジャーは変身して、黒と赤のマスクになっている。
…今のって…今のって…。
ボーゼンとしながらテレビを見つめていると、変身が解けた…。
やっぱり…ユウトだ…。
「どうしたの?美月?
泣いてるの?」
友達の声でハッとする。
私は、ボロボロ涙を流していた。
止めようと思っても、止まらない。
ユウト、俳優の夢、捨ててなかったんだ…。
本当に、よかった…。
「私、帰るね!」
びっくりしている皆を置いて、実くんの家を出る。
嬉しくて、嬉しくて、泣きながら笑う。
道行く人は、変な顔して私を見てる。
でもそんなこと、どうでもよかった。
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家に帰ってユウトのことを調べる。
オーディションに受かって、この4月から放送されている仮面レンジャーの、主役を演じていることがわかった。
会いたい…。
会いたいよ…。
私は、ペンを取り、手紙を書き始めた。