• テキストサイズ

エッチな声のお勉強

第9章 別々の道


行為が終わり、うつ伏せのまま動かない私にユウトは言う。

「ごめんね、美月ちゃん。
俺…練習だとか言って、君の身体、弄んでたんだ」

私は顔を上げ、涙を流したままで言う。

「それでも!
それでも…私はユウトが好…んっ」

好きだと言いかけた口を、ユウトに手で塞がれる。

ユウトは苦しそうな顔をしていた。

「俺は…打ちきりだって聞いて、本当は喜んでたんだ。
君が簡単に夢を掴んだようで…ずっと羨ましかった。

君といると苦しい。

夢に向かって真っ直ぐな君を見てると、俺は、どうしても自分が情けなくて仕方なくなるんだ。

もう、会えない…」

私は何も言えなくなった…。

いつも笑顔で私を励ましてくれていた
ユウト。

本当はオーディションに落ちたり、レッスンで厳しいことを言われたりして、自分も苦しかったはず。

私はそんなこと、全然気が付かなかった。

ユウトが二人のスマホを持ち、お互いの連絡先を消去する。

そして、服を着て出ていく…。

その間も、私はただ、ユウトを見つめて動けなかった。

「バイバイ、美月ちゃん。」


/ 121ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp