第3章 収録
駅前に着くと、ユウトが女の人に声をかけられているのが見えた。
まんざらでもなさそう…。何かやだな…。
って私には、別に関係ないよね。彼女でも何でもないんだし。
ユウトが私を見つけて手を振る。
「お姉さんたち、ごめんね。
今日はこの子とデートなんだ」
「えー、残念~。連絡先教えてよー」
「んー?次会えたらね」
サラリとかわして、ユウトが私の手を取る。
「行こ」
久しぶりに見る顔。
何だかホッとする。
何でだろ。
色々恥ずかしい姿を見られてるからかな…。
今日は前みたいに、すぐにホテルには行かないで、近くの居酒屋に入る。
「美月ちゃんはお酒はだめだね。
こんな店でよかったの?」
チェーン店の居酒屋だけど、カップル用に2人で並んで座れる個室がいくつかある。
ここなら、アニメのこと話してても、誰にも聞かれないもんね。
「うん。いいの」
「じゃあ、適当に注文しよっか」
ドリンクと料理がある程度揃い、店員さんの出入りがなくなった…。
「見たよ。すげーエロくて…ヤバかった。
美月ちゃんのこと、また抱きたくなっちゃった」
耳元でユウトが言う。
その言葉で、私は前の行為を思い出して顔が赤くなる。
「…っ、あ、りがとう…」