第3章 収録
来週から、続編の収録が始まる。
私は上手く演じられるか不安でたまらなくて、インターネットばかり見てしまう。
うーん。
続編はどんどん過激になっていくみたい。
それなのに、私、全然エッチの知識が足りないよー。
恥ずかしいけど、友達に相談してみようかな…。
でも、誰に…。
スマホのアドレスを見ていると、見覚えのない連絡先が見つかった。
『有川 有人』
ありかわ ゆうと…?ユウト…?
でも、何で?いつの間に!?
混乱しながらも、私はすぐに通話ボタンを押す。
5回目のコールで相手が出る。
「はい」
「あの…ユウト?」
何を言ったらいいのかわからず、とりあえず名前を呼ぶ。
しばらくの沈黙の後
「…もしかして、美月ちゃん?」
ユウトが言った。
「うん」
「ねぇ、ゆうと~、他の女と話してないで、早く続きしよぉよ~」
受話器の向こうから、甘ったるい女の人の声が聞こえる。
ピッ…
思わず私は、電話を切ってしまった。