第20章 丸ごと全部
「声かけただけなのに、反応いいね……。
期待してた……?」
わざとチュッと水音を立てて、首筋を吸われる。
「違うっ……」って一応反論するけど、きっとユウトにはお見通しなんだ。
「じゃ、こっち行こ」
てっきり隣のお布団の部屋に連れていかれるのかと思ったのに、ユウトは私を机の前に座らせる。
そして冷蔵庫からケーキを取り出した。
「食べるでしょ?」
目の前にケーキが置かれると、とりあえずさっきの欲情はどこかに吹き飛んで私はフォークを刺す。
やっぱり苺のタルトって最高!!
後半はチョコレートをかけて食べると、しつこいかと思ったのにあっさりしていて、私はペロリと平らげてしまった。
ケーキに夢中でユウトを忘れていたことを思い出し「食べないの?」と聞いてみる。
ユウトはニヤニヤしながら私を見てる。
「口にチョコレート付いてるよ。
美味しかった?
じゃあ俺も、頂こうかな」
「うん。美味しかったよ……」
話している途中にユウトに畳の上に押し倒されて、私は目を見開く。
「んんっ……」
無理矢理なぐらいの荒々しいキスに、息が苦しくなる。
浴衣の紐があっさりとほどかれ、下着が露になった。
「な……にっ……」
強引な行為に頭がついていかず問いかけるも、ユウトは無視して下着を剥ぎ取っていく。