第10章 痛くても僕がいるよ
「今頃、学校昼休みかな」
「あぁ、そうかも」
私は、裸の彼の胸の上に乗っかって、まったりしてる。
彼がときどき私の髪を撫でてくれる。気持ちいい。
「今日お弁当? お腹空いた? 食べる?」
彼が私に尋ねる。
「うーん。お腹空いたけど…もうちょっと、こうしてたい」
「ふふ…よしよし」
私は彼の胸に頬をピッタリくっつける。
なでなでしてくれる彼の手を感じると、本当にうっとりする。
「ねぇ、真司…。一個だけ聞いていい…?」
「うん。なに?」
「好きな人のことはもういいの…? 真司の好きな人…」
私は泣くのを我慢しながら聞く。
「僕の好きな人はみなみだよ。今までも、これから先も、ずっと。ずっと、みなみだけだよ」
彼が答える。
私の目から涙がこぼれる。
身体がプルプルするのは我慢してるけど、涙が彼の胸の上に落ちちゃって、泣いてるのはきっとバレてる。
「わたしも同じ。ずっと真司だけが好き」
声が震えないように、頑張ってハッキリしゃべる。
「みなみ…。僕のこと、捨てないでね。裏切らないでね」
「ふふっ…うん」
「約束だよ」
「うん。約束…」
私は身体を起こして、彼の唇にキスする。
チュッってキスして、彼の顔を見て笑う。