第8章 えっと、ごめん
「あの…えっと…ごめん…」
彼が私に謝る。
私はふっと笑う。
「ちゃんとわかってる。八つ当たりだって。
藍田くん優しいね。今までありがとう」
涙が止まらなくて、声が震えてるけど別にいい。
私は彼の身体に抱きつく。
「記念にsexしよ。わたし、初恋の人とすませておきたい」
「みなみ…。みなみは今、冷静じゃないだろ? よくないよ。そういうの」
彼は少し身体を離して、諭すように話す。
バカみたい。
「わたしは今まで藍田くんといて、冷静だったことなんて一度もないよ…」
私は彼と離れて自分のカバンを拾う。
「バイバイ」
私は一人で彼の部屋を出て、一人で帰った。