第8章 えっと、ごめん
翌日、私はいつも通り学校に登校する。
教室の前の廊下でアヤとすれ違う。
「おはよ」
私はアヤに声をかける。
アヤは無反応で通り過ぎてく。
聞こえなかったのかな?
私はそのまま教室に入る。
3人グループでワイワイ話してた女子たちが、一瞬静かになり、こっちを見る。
「おはよ」
私は声をかける。
気づかないフリして、彼女たちはまた話を続ける。
今の…は、さすがに気づいてるよね?
なんか変だなぁと思いつつ、自分の席に座る。
「おはよう!」
後ろから川口くんが歩いてきて、私に元気よく声をかける。
「おはよ」
私は少し振り返って、にっこり笑って返事する。
さっきの彼女たちが、じーっとこっちを見てるのが視界に入る…。
…
2時間目は移動教室。
準備して、私は友達の奈津子に声をかける。
「準備できた? 行こう」
奈津子は移動教室の持ち物を握りしめ、ちょっと困った顔でうつむく。
後ろから朝、私を無視した女子3人が走り寄ってくる。
「奈津子、一緒に行こう」
彼女たちは奈津子にだけ声をかける。
奈津子は小さく頷き、彼女たちと立ち去った。私を置いて。