第4章 一生、忘れない
「はぁ…気持ちよかった…」
彼は大きくため息を漏らし、私の身体をよいしょって起こす。
そして、ぎゅーって。
私の背中をぎゅーってして抱きしめる。
「みなみも…気持ちよかった…?」
彼が吐息まじりの声で私に問いかける。
「うん…」
私は小さく頷く。
「ファーストキスだよ。僕」
私の髪をそっと撫でながら、彼が言う。
「わたしも…」
小さくつぶやく。
「ふふ…そっか。
どうして僕をファーストキスの相手に選んでくれたの?」
彼は私の頬をそっと撫で、顔を覗き込み、尋ねる。
「好きだから」
彼の質問に、私はうつむいたまま答える。
「可愛い…」
彼は私の頬を持ち上げ、また唇に吸い付く。
私の口の中で、舌を絡めあう。
「ふふ…何回しても気持ちいい…」
唇を離して彼がつぶやく。
「一生、忘れないよ。今日のこと。初めてだから。
みなみも…忘れないよね。忘れちゃ…駄目だよ?」
私は声を出さずに頷く。
こんなこと…忘れるわけないと思う。