第4章 本当の彼
「やっぱりレンは、愛されてたんだよ」
きっぱりと言い切る私に、困惑した顔を見せるレン。
私は自分の考えを話した。
レンのお母様がいた町は、私の国との国境近くで、私も行ったことがある。
春になると咲き乱れる黄色の小さな花が美しい町だ。
黄色い花畑の中に、まれに、白い花が咲くことがある。
一つの言い伝えがあった。
その白い花を贈られた人は、必ず幸せになると。
私も母のために、白い花を探したことがあったが、1週間毎日探したのに見つからなかった。
町でも白い花を見たのは、一度だけだった。