第4章 初めての「親友」
訓練の終了を告げる鐘が鳴り、服を着替えた訓練兵は食堂へと足を速めた。
いままでやったことのない訓練を初めて行ったのだ。訓練兵も腹が減ったことだろう。
いただきまーす!!
と手を合わせるなり、皆がつがつと食事をし始めた。一言も話さず、食べる音だけが聞こえるなか、ファーユとクローンはこそこそと話をしていた。もちろん、立体機動の適性についてだ。
「あのさ、クロ。立体機動ってさ、平地だとかなり不利じゃない?だって、アンカーを刺す場所がないから、すぐに死んじゃうよ。」
「…あのなぁ、そういう時は、森まで巨人を誘導するんだ。で、うなじを削ぐ。それだけだ。まったく…馬鹿か、お前は」
「ばっ馬鹿じゃないし!!これでもがんばってたんだからさぁ!!」
「…知ってる。でもおまえ、まずくわねぇと明日の訓練に耐えられないぞ?」
「わかってるよ!でも…ありがとうクロ。」
笑って礼を言うと、すぐさま食べ始めた。