第3章 訓練、開始
そんな中でも、ファーユは、幼いころから夢を抱いていた。人類を勝利に導き、外の世界を探検することだ。そのために、昔から多くの修業を重ねてきた。
そして、先日迎えた誕生日と同時に家を出てきたというわけなのである。
しかし、そんなファーユでもさすがに周りは知らない者ばかりである。唯一、幼馴染でもあり、大親友でもある、クローン・サンドリアは私のすぐ横に立っているのだが。
「ねぇ、クロ?」
クロとは私が小さいころから呼んでいるあだ名である。
「なんだ?ファーユ。」
聞き覚えのある低い声が返事をする。
「勢いで飛び出してきたけど、本当に大丈夫かなぁ?」
正直、家を飛び出すのはかなりきつかった。
誕生日だったということもあり、本当につらかった。