第3章 訓練、開始
八四〇年
「貴様は何者だ!?」
キースの声があたりいっぱいに響く。
「シガンシナ区出身!
ファーユ・ワーナーです!!
人類の英雄となるために来ました!!」
「そうか。威勢がいいだけでは、訓練には
耐えられんな。今のうちに帰っておけ。」
訓練兵団――おもに調査兵団・駐屯兵団・憲兵団の三つの兵団に人材を排出するためにつくられた組織。
無論、この過酷な試練に逃げ出す者も多い。
だが、こうした中でも、なぜ訓練兵を希望するのか?
ある者は出世のために。ある者は快適な暮らしをするために。ある者は人類の勝利のために。実にさまざまである。