• テキストサイズ

黒執事 Blood and a doll

第20章 牢獄



「まぁた甘い物作ってる」

「これはこれは、グレイ伯爵。いつになったら玄関からいらして頂けるのでしょう?」


 厨房でシエルの為にケーキを焼いていたセバスチャンは、前触れなく窓から現れたグレイにため息交じりに言い放った。相変わらず彼は、テーブルの上に用意されていたシュークリームを一つつまみ食いしていた。


「グレイ伯爵……お行儀が悪いですよ」

「ボクに指図しないでくれる?」


 グレイは指先についたクリームも綺麗に舐め取ると、懐から封筒を取り出しセバスチャンへと差し出した。


「これは?」

「陛下から。なんでも、最近妙なドラッグが流行ってるらしいよ」

「ドラッグ……?」

「エンジェルドラッグ」


 セバスチャンの目の色が一瞬変わった。その反応でさえも楽しいのか、グレイは笑いながら話し始める。

/ 205ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp