第96章 整理の後の整理
「凛。おかえり。」
「……モブリット。ただいま。」
「楽しかった?」
「うん。」
隣に立ったいつもの優しい笑顔は、
心を落ち着かせもするし、騒がせもする。
「酔ってない?大丈夫?」
「……どうかな。」
全く酔ってはいないけど、
モブリットに触れたくなって、
そっと手を繋いでみる。
すぐに握り返された手のひらは少し冷たく、
基地の前でしばらく待っていたであろうことは
簡単に察することが出来た。
「部屋まで送るよ。」
「送るだけ?」
「……明日も早いだろう?送るだけにするよ。」
「モブリット、本当に送るだけでいいの?」
しつこく問い詰めると、
モブリットの頬は一気に緩んだ。