第82章 ズルいも同じ
「ど、どんな顔…?!」
「その顔見てたら、
またすぐ抱きたくなるから……」
視線を逸らせたままのモブリットの視界に
入り込むように
無理矢理視線を合わせると、
頬に軽くキスをする。
「……それについては歓迎するよ?」
問いかけるように答えた途端、
すぐにモブリットの顔は綻び、
力強く抱きしめられる。
「……本当に……君はズルいよ。」
そんなところもすごく好きなんだけど、
と、耳元で囁かれ、
思いがけないタイミングの告白に
急速に顔に熱が集まってくる。
この赤面癖は、なんとかならないのか。
そう思いつつも、
同じく頬を赤らめているモブリットを見ると、
それもまぁいいか、と楽天的になってしまう。
困ったように笑うモブリットの頬を捉まえ、
そっと唇を重ねた。