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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第76章 過去と今の差し替え






「そっちのミケとの出会いはどこで?」



ミケの質問に答えるべく、
ゆっくり記憶の蓋を開ける。



「居酒屋で。
私はその日、仕事で嫌なことあって、
1人で酒煽ってて」


「……おっさんみたいなストレス発散法だな。」

「失礼な。」


まぁ否定はできないが。

そう思いながら話を続ける。



「結構いい感じに酔っ払って、
店を出たところで
同じく店を出て来た御食に
いきなり引き留められて……」

「引き留められて?」

「さっきみたいに、突然キスされた。」


「……なんだ。
そっちのミケは相当強引じゃないか。」

「それ、さっきの今でミケが言う?」


思わずそう問いかけると、
ミケの頬はフッと緩む。



「すまない。
いつもはそんなことはしないからな。」

「そう。御食もそう言ってた。
いつもはそんなことはしないって。
でも、」

そこまで言って言葉が行き詰まる。



「でも、なんだ?」


「……いや、
すごい印象的なことを言われたんだけど……
あれ、何でだろう……思い出せない。」



思い出せない筈はない。


何故なら、この言葉がきっかけで
御食と付き合い始めたことは
覚えているんだから。

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