第74章 ●逆襲の時間
「っ、ん…!凛、本当に、」
「無理だよ。
なんか、エルヴィンの気持ちが、
ちょっと分かった気がする。」
思わず笑みが零れそうになった時、
自分では止められない情動を押さえたのは
遂に解放されたエルヴィンの
もう一方の手だった。
「……もういい。
赤面しているところを、見られることは、
一旦諦める。」
赤らんだ表情を目の当たりにして、
心臓がドクンと音を立てる。
「君の自由にさせていたら、
俺の身がもたない……」
「じゃぁその顔、ずっと見させて。」
「……いいよ。」
身体を起こしたエルヴィンの顔が近付く。
火照った頬を摺り寄せられ、
思わず目を瞑り、同じように擦り合わせた。
興奮が窺える息遣いを耳元で愉しみながら、
エルヴィンの耳に唇を寄せる。
「……その替わり、
エルヴィンがいっぱい突いてね?」
そう囁いた瞬間、
エルヴィンの情動がすぐに全身に伝わった。