第60章 詰問、詰問、からの証拠

「ジャンがタチの悪いナンパしてた話、
エルヴィンたちには言うの……？」

調査兵団の基地に着き、建物の中に入る前に
一番気になっていたことを
モブリットに尋ねる。



「……俺の立場からしたら、
言った方がいいんだとは思うけど……
もう言わないでいいんじゃないかな。」


「良かった……！」


思わず安堵のため息を吐く。



「こんなことが
エルヴィンやリヴァイに知られたら、
ジャンがどうなるかなんて
簡単に想像できるもん……」


今まで誤魔化し続けてきた分、
きっと私も酷い仕置きをされそうだが、
それ以上にジャンは危ない目に合うことは
確信していた。




「そうだね……
ジャンも反省しているみたいだし、
今の時点で言う必要はない、と思うよ。」


「これが知られたのがモブリットで
本当に良かった……」


「まぁ俺もジャンに
結構厳しい言葉を掛けてしまったけどね。」


「それでもモブリットは良識の範囲内だから。
もしこれがリヴァイだったら……」


「俺だったら、何なんだ？」



背筋が一瞬で伸びる。



声の主は、言わずもがな、だ。