第56章 性欲の発散方法
「……普通、そういうこと聞く?」
「すまない。
普通の基準が分からないんだ。」
分からなかったら何でもしていいのか?!
と、小一時間説教をしたい気分になるが、
今の自分はそんなことが出来る立場にいない。
「その反応、ということは、
したことはあるんだな?」
「……エルヴィンの想像に任せます。」
「なら、そうだということにして、
君は自慰だけじゃ満足できないか?」
……この人は……
本当に私の話を聞いているのだろうか。
「エルヴィンは自慰だけで満足できるの?」
取り敢えずどうにか反撃したいと思い、
問い返す。
「時と場合に寄るが、
大体はそれなりに満足するかな。
まぁ、君を毎日好きなだけ抱けたら
自慰なんてしなくていいのに、
と思うことは多々あるが。」
そんなことを多々思うな!!
もっと色々オブラートに包んで発言してよ!!
と、心の中で叫んだ後、
もう赤面しすぎているであろう顔を
両手で隠した。