第54章 ●視姦と焦燥感と安心感と
「……はぁ……
久しぶりにお湯に浸かった。」
風呂の中で俺の股の間に背中を向けて座り、
大きくため息を吐く凛の髪を撫でる。
濡れた髪はいつもと変わらず柔らかく、繊細で、
自然と指で弄んだ。
「疲れてるところ悪かったな……」
あんなに激しくヤる予定はなかった。
それでも途中から
互いにタガが外れたのは明らかで、
強く、濃厚に抱く以外
考えられなくなっていたが。
「いいよ。こっちこそごめん……
リヴァイの方が
早く休まないとなのにね。」
胸元に深くもたれ掛って来る凛を
そっと抱きしめる。
……もうずっとこのままでいたい。
それくらい凛の身体は自分の身体の中に
当然の様に丁度納まり、
例えようのない心地良さがあった。
無意識のうちに頭が凛の肩へ傾れ込む。
「……リヴァイも疲れてるよね。」
垂れた頭をそっと撫でられ、思わず目を瞑った。