第7章 自分にできることを
パーティーから帰って来た二人は、
嗅ぎ慣れない甘い香水の匂いを漂わせ、
いかにも自然な様子で
私と接することを避けている。
そんなことから、二人が身体を武器にして
接待していることは、簡単に想像がついた。
だからこそ、私もパーティーへの参加を
申し出続けている訳だが、
その思惑も、きっと二人には
見通されているんだろう。
私の提案に対して、
二人が首を縦に振る兆しは全く見られなかった。
自分が身体を張ってまで
兵団の力になりたいと思う様になったのは、
この世界の歴史や調査兵団の働きを知った上で、
調査兵団の兵士たちの厳しい訓練風景を
見させてもらい、激しい感動を覚えたから、
というのもあるが、それだけではない。
ここにいる兵士たちは、自分の命を捧げてまで
世界を人類の手に取り戻そうとしている。
その事実に、心を打たれずには
いられなかったからだ。