第38章 戦う力を
「俺は意志が弱いと思うか?」
馬を走らせ、
エルヴィンの隣に並んだリヴァイに
エルヴィンはそう問う。
「ああ。思う。」
昨晩自室で凛の甘い声を
耳にしたであろうリヴァイの即答に、
エルヴィンは思わず小さく息を漏らす。
「だが、その判断が
間違いだとは思わない。」
リヴァイはそう言って
エルヴィンに目を走らせ、
「……まぁ、本当に正解だったか分かるのは
これからだがな。」
と、進行方向に
ゆっくり視線を移した。
「ああ。その通りだ。」
エルヴィンの顔付きは、
もう“団長”そのものだった。
リヴァイが自分の定位置に戻ってすぐ、
エルヴィンは勇ましい声を上げ、
調査兵団は壁外へと向かった。