第33章 リヴァイの感情
リヴァイは自主訓練を終え、
夕食もそこそこに軽い湯浴みを済ませ、
自室に向かって足を進めていた。
最近兵士たちの調子がいい。
さっきハンジとモブリットからも
報告を受けたが、
やはり記録としても
いつもより順調に訓練が進んでいるらしかった。
理由は言わずもがな分かっている。
あの二人も言わないだけで
分かっている口調だった。
この理由を凛に報告してやったら、
どんな反応をするだろう。
謙遜するか、
素直に喜ぶか、はにかむか……
いや、今以上にもっと
仕事に精を出す気がする。
それはそれで厄介だ。
これ以上あいつの負担を
増やすべきじゃないだろう。
リヴァイは一瞬
凛の部屋に向かおうと足を止めるが、
再び歩き出した、その時。
「凛。」
まさに今会いに行きたかった人物の出現に、
もう一度歩みを止めた。