第30章 女慣れした新たな仲間
「おい、そろそろキツイんじゃねぇのか?
一度立て直させてやるよ。」
「い!いや!自分で立て直します!」
ここで兵長が一度私との取組を解き、
エルドの方を集中して見始め、
もしエルドの相手が凛さんだと
気付いてしまったら……
エルドは調査前にも関わらず、
殺されかける可能性がある。
好色家で女道楽を欠かさないエルドの
肩を持つのはいけ好かないが、
調査前にチームワークが乱れるのも、
チームメイトが欠けるのも好ましくはない。
「……お前、
ここから立て直せるような技術なんて」
リヴァイがそう言いかけた時、
ペトラは残りわずかな力を出し、
ほぼ決まりかけている関節技から逃れようと
瞬時に身体を捩じらせた。
「ほう……悪くない。やってみろ。」
リヴァイは小さく頬を緩めると、
力強く抵抗を始めたペトラと再び向き合った。