第30章 女慣れした新たな仲間
「エルド、本当に大丈夫かな……?」
「心配ですか?」
「いや、私はバレても
叱られるだけだし良いんだけど、
これでエルドも同罪みたいになるのは
申し訳ないと言うか……」
歩きながら思わず本音を漏らす。
私だけが叱られるのならまだしも、
道案内してくれたエルドにまで
怒りの矛先が向かうのは頂けない。
「場所教えてくれたら行けると思うから、」
「多分分からないと思います。
この訓練場、広い上に結構複雑ですよ。」
それに、と付け足したエルドは
少し凛に顔を寄せる。
爽やかな香りがフッと鼻を掠めた。
「女性をエスコートするのは
嫌いじゃないんで。」
寧ろ好きな方です。
そう言って悪戯っぽく笑うエルドを見て、
自然と鼓動が速くなる。
それと同時に、リヴァイがエルドは班の中で
一番女の扱いが上手いと言っていたことを
思い出した。