第142章 久しぶりのデート
「そんな思いをしているなら、背中を向けるのは危険じゃないか?」
「……そりゃ、知らない男性が近くに居る場合はね。
エルヴィンだから別に」
「無防備な体勢になって、身体を触られても問題はない、のか?」
発言を遮られると同時に、エルヴィンの指先はまた太腿を這い始める。
「そ、そういう意味じゃ……」
ないんです、と言いたいところだけど、確かにそういうことだ。
混雑した電車内で、見ず知らずの男性と接近しているのに背中を向けることについては危機感を覚えるが、相手がエルヴィンならば話は別だ。
……言い方に問題はあるが、エルヴィンになら、身体を触られても問題はない。
「……今までの嫌だった記憶は、俺が摩り替えよう。」
「ま、え…、それってどういう、」
言葉を落としきるより先に、エルヴィンの指先は臀部の膨らみを捉えた。