第127章 動揺の日
「……何で急に積極的になったの?」
「凛が可愛かったから。
あと、そんなにやきもち妬いてくれてるんだ
って思うと嬉しくて。」
「モブリット、結構人の目
気にするタイプだったんじゃなかったけ……?」
「そうだったけど、もういいよ。
凛を好きになってから、
色々考え方も変わったから。」
「……それってダメなことじゃない?」
「まさか。逆だよ。
こっちの自分の方が気に入ってる。」
笑顔のままのモブリットにそう言われると、
それならいいか、と
一気に楽天的な考えが舞い降りてくる。
モブリットの可愛い顔にも自分は弱い……
「凛、午後から駐屯兵団に行くんだろう?
記録係、替わる予定だったよね。」
「あ、そう!
その為にモブリットのところに来たんだよ!」
「なのに予想外に嫉妬心燃やされて、
モヤモヤして走って来たの?」
「……はい。すみませんでした。」
素直に頭を下げると、
モブリットの深いため息が頭上を通り抜けた。
「……凛。キスしたい。」
「なっ…、」
「今日は兵長に誘われてるだろう?
明日、凛の部屋に行ってもいい?
それとも俺の部屋に来る?」
「ちょ、待った、
色々ツッコミが追いつかない!」
「兵長、嬉しそうな顔して
基地に戻って行ったから。
多分今日会うのかなぁって。」
「……そう。ほんと観察力すごいね……」
「兵長がニヤつきたくなる気持ちは
よく分かるからね。」
軽く頭を撫でられ、
優しい表情のモブリットに視線が釘付けになる。
やっぱりこの顔はズルい。
「明日、モブリットの部屋行くよ。」
「分かった。楽しみにしてる。」
また一段と明るさを増した
モブリットの顔を見つめながら、
自然と表情は和らいだ。