第120章 嫉妬の続き
「反省したから、
誠意見せてくれるんだろう?」
モブリットはいつの間にか私の隣に座り、
距離はかなり縮まっている。
モブリットが私の背後に手をついたことで、
ベッドはミシミシと軋む音を立てた。
「……なんかよく分かんなくなってきた。
私、おかしいこと言ってた?」
「いや、凛の言いたいことは分かるし、
おかしくもない。」
「それでも続きするの……?」
「凛はしたくない?」
したいに決まってる!
もう身体は一か月近く前から疼いてるんだ!
そう即答してしまいたい。
出来る訳がないけど。
……私はどれだけ淫乱なんだ。
呆れながら返事を探していると、
手元でカチャリと冷たく硬い感触が伝わった。
「……モブリット?」
「取り敢えず、
兵長と野外でいちゃいちゃしてた分は
これでチャラにするから。」
「ま、待った…!モブリット、
覗き見みたいなことしてしまった自分も悪い
って言ってなかったっけ?!」
唐突に腕に取り付けられた金属を見た瞬間、
脳は混乱を起こし、
声は上擦り、声量も多くなる。
「確かに言ったし、そう思うよ。
でも、それを今持ち出すっていうことは、
凛は誰かに見られる心配がある基地裏で
兵長と堂々とキスしていたことについて、
負い目は感じてないってこと?」
「まさか!!
モブリットが悪いなんて微塵も思ってないし、
完全に私が悪いと思ってる!」
つい声が裏返る。
久しぶりにこんなに動揺していた。
モブリットの予想外すぎる行動にも、
腕に装着された、この手錠にも。