第116章 周囲の視線
……完全に行き詰まっている。
どう足掻いても
自分の納得いく方向へは向かない。
「リヴァイ!」
耳元に突然デカい声が響き、
脳が震えを起こし、思わず顔を上げた。
「やっと目、合った。」
「………何だ。」
「それはこっちのセリフだけど。」
そうだろうな、と心の中で答え、
再び視線が下を向こうとした時、
突然クラバットを掴んで引きつけられ、
唇が唇で覆われた。
「もういいよ。ここでする?」
「………は?」
唇が離れた瞬間の凛の一言に、
図らずも気の抜けた声がでる。
「野外プレイ。
リヴァイ、そういうの好きなんだね。」
「なっ…違ぇよ!俺はただ」
お前とモブリットが仲良くしてるのを見て、
お前らがデキてる上に
いちゃついてる噂を聞いて、
嫉妬心が燃え上がったせいで、
こんな強引な真似をしてしまっただけだ。
……そう言ってしまいたいところだが、
言える筈がない。