第115章 熱のせい
「もう凛は発言禁止だ。
どうしても俺を挑発したいらしい。」
「……だってエルヴィンとするの嫌じゃない」
人差し指を顔の前で立てられ、
思わず口を閉ざす。
「……たまにはいいだろう?
こうして寝るだけなのも。」
エルヴィンの熱い胸板に顔を伏せると、
胸元の圧迫は解かれ、
少し熱い体温だけが
心地よく身体に浸透してくる。
思わず目を瞑ると、
すぐにでも夢の世界へ誘われそうだった。
「……だが次の君の休暇前は、
一晩中抱かせてもらうから、
覚悟しておくように。」
耳元で囁かれた言葉に頷く前に、
強い眠気が瞼を開けることも、
身体を動かすことも拒否し、
簡単に意識を手放した。