第115章 熱のせい
「朝からモブリットに抱かれて、
眠らないうちに俺の部屋に来たんだろう?
それなのにうたた寝くらいしかできず、
俺の看病をしていたんだから、
疲れない筈がない。
折角の休みなのに、疲れをとるどころか」
「ま、待った!」
ツッコミどころがありすぎる。
取り敢えずエルヴィンの発言を制止した。
「何で朝からモブリットに抱かれたって……?」
「一晩一緒に過ごしてるのに、
君が朝にも欲情しない筈がない。」
「……私のことどれだけ淫乱だと思ってるの?」
「別に淫乱だとは思ってないよ。
ただ、君の今までの傾向を考えると
そうだろうと思っただけだ。」
勿論淫乱でも嬉しいくらいだが、
と余計なひと言まで付け加えられ、
ため息と一緒に熱が顔を覆ってくる。
「今日は何もせず、添い寝で我慢する。」
「……エルヴィンにそんなことが出来ると
思わないんだけど。」
「俺も思わない。」
思わないのかい!
心の中でツッコミを入れると、
自然と吹き出してしまい、
それと同じく、エルヴィンも小さく笑っていた。