第105章 デートの行方
「今の凛が、
今の俺に傾くとは思ってないから
別に思わせぶられたとも思わないけど。」
「……ジャン、今日すごい冷静じゃない?
しかも発言も
かなり的を射たことばっかりだし。
一気に大人びた感じするんだけど」
「やっぱり俺のこと
子どもだと思ってたんだろ?」
「そういう訳じゃないよ!」
「今日は凛が冷静さに欠けるからな。
そう感じるんじゃねぇの?」
ジャンは子どもだと思われていたとしても、
最早そんなことは
どうでもいいと思っているんだろう。
私の強い否定も気にすることなく
話しを続ける。
「今はそういう対象に見てもらえないとしても、
これから見てもらえるようになる
自信はあるから。
期待して恋人でも何でも作ってろよ。」
ニッと白い歯を覗かせて笑うジャンは、
今はもう
“対象に見られない”相手、ではない。
そう思ってしまうくらい、
会う度に逞しくなってきているように思えた。