第105章 デートの行方
「今からだったら……
まぁ、18時までかな。」
「あと三時間くらいしか
ないじゃないですか!!」
「最初だからね。」
「……鼻水垂らしてるガキだって、
それより門限遅いですよ。」
「喫茶店でお茶するくらいなら出来るだろう?
あ。そうだ。待ち合わせの場所を
喫茶店にしておこうか。」
「モブリットさん!
それだともう自由時間じゃないんですけど!」
ジャンと話している時のモブリットは、
これ以上にないくらい強引で自由だ。
そんな姿を見る機会がないから、
やっぱりこの時間は貴重だった。
色んなモブリットの顔を見られるのは楽しいし、弄られるジャンを見るのも面白い。
ジャンも訓練兵団ではこんな扱いは、
きっと受けていないだろう。
勿論面倒そうにはしているが、
モブリットを毛嫌いしている感じでもないし、
むしろたまに盛り上がっているんじゃないかと
思ってしまうこともあった。
「凛、行くぞ。」
ジャンに腕を引かれ、
自然と足を大きく踏み出す。
「モブリットさんの気が変わらないうちに、
さっさと“デート”しよう。」
「ふふっ…、そうだね。」
小さく吹き出してしまいながら、
手を引かれるままに歩き出す。
軽く手を振ってくれるモブリットに
手を振り返し、ジャンの横に並んだ。