第105章 デートの行方
「……モブリットさん。
いつになったら凛と二人きりで
デートさせてくれるんですか?」
「どうだろうね……」
「もしかして、俺が訓練兵団卒隊するまで
この同伴デート続けるつもりですか?!」
「……ダメかな?」
「ダメですよ!
あと1年近くもあるのに!!」
「大丈夫。一年なんてあっという間だよ。」
「大丈夫じゃないから言ってるんですけど!」
ジャンとモブリットの少し後ろで、
二人の会話に聞き入りながらも、
視線ではウィンドウショッピングを楽しむ。
最近肌寒く感じる日も増えてきた。
この世界のファッションを勉強して、
なるべく浮かないような
恰好をしないとなぁ……
そんなことを思いながら、
淡いオレンジベースのストールを
見入っていると、
ジャンに呼ばれる声を耳にし、
視線を声の方へ移動させた。