第2章 1話 再開のスターティングブロック!!
「田村純一君。」
「はい。」
「手塚香織さん。」
「はい。」
「えっと…七瀬遙さん!」
自信満々に呼びかけられた遙。ただじっと座っているだけだった。クラスでは笑い声が漏れている。
「(女と間違われるのはもう慣れた。)」
真琴が先生に言う。
「先生、遙は男です!」
「えっ…あら!ほんと!」
笑い声が響き渡る。真琴は誤魔化すように皆とわらい、遙の前に座っている昴が遙の方を向き小さな声で言った。
「昨日は真琴が遙と同じことになってたんだよ。」
と苦笑いをしていた。
「ごめんなさい。七瀬君。」
真琴がすまなさそうに片手で謝るが遙は目で見て顔を逸らした。
「確か昨日はお休みだったわよね?新しくこのクラスを受け持つことになった、天方美穂です。よろしく。」
ふんわりとした雰囲気を持った優しそうな先生。先生は肩をすくめて笑った。