第5章 気持ちのズレ
りゅうの腕は温かく、私を包んでくれる。
山内「私って嫉妬とかしないと思ってた。でも、りゅうがどっか行っちゃうと思って…。自分でもビックリした。変なこと言ってごめんなさい。」
りゅう「俺も内心ヒヤヒヤしてる。山内の事をイイって言ってるやつもいるんだよ?こうやって触れんのは俺だけにして欲しい…。」
りゅうは私なんかの事を大事にしてくれてるんだ。
小さい時から、ずっと助けられっぱなしだよ。
山内「分かった。」
りゅう「俺も、山内には寂しい思いさせない。」
りゅうはゆっくりと腕を離した。
りゅう「俺は本当に山内に惚れてるから。」
私の家の前でこんな恥ずかしいことしてたんだ。
唇が触れ合った。
心が通じ合うみたいでキスも悪くないかもって思うようになってきた。
でも、いつものキスと違う。
りゅうの舌が私の唇を開けて行く。
腕が私の頭の後ろに回って、逃がされないようになる。
山内「…んっ…ぁ」
りゅうはゆっくりと唇を離した。
りゅう「ごめん、嫌だった?」
嫌じゃないことは分かってるくせに。
恥ずかしいから黙ってりゅうの胸を押した。
りゅうは分かってるみたいで、何もしなかった。
りゅう「また明日ね。」
黙ってうなずいた。