第1章 はじまり
っていうか同情されると思って
「同情するなら金をくれ」って思わず
有名なせりふ吐こうとしたじゃん
あーはずかしいはずかしい。
ふと時計をみると、午後5時。
けっこう寝てたなあ…
置時計の横に置いてあるスマホに目がいく。
あっ、そういえば「仲間」に連絡しないと。
LINEを開くと、ぐるーぷ「カモサギ」から
たくさんメッセージがきていた。
みんな心配してくれてる、優しいなああいつらw
「えーと、連絡遅れてごめん。ちょっと失敗しちゃって
病院なうw 明日には退院できるらしいから、
いつもの場所に集合ねん」
送信。
スマホを横に置き、ふう、とため息をつく。
…それにしてもさっきの人。
なあああんかどっかで見たことが。
声も聞き覚えあるし!
ま、いっか。
明日もくるっていってたから
入院代はらってもーらお。
どうせすることもないから一眠りしよ。
さんざん走って疲れたし…
目をつぶると、そのまま深い眠りに落ちた。