第1章 はじまり
「はあ…っはあ…つっ…」
もう、ここまでくれば大丈夫。
あいつらはやってこな―――
「こっちに逃げたぞ!!おい!!!」
「!…あーもぉ!」
再び全力疾走。
狭くて暗い路地裏を右に左に曲がって
あいつらを撒こうとする。
たしか、ここを右に曲がって大通りに出れば
人が多いからまぎれれるはず…!!!
よし、やっぱり正解だ!
人がちらほらみえる。
あとはこのリバーシブルジャケットを
利用して人ごみにまぎれるだけ!
また今日も大成功…かなっw
逃げ切れるって確信して、油断していた私は
スピードを落とさずに角を勢いよく曲がった。
――そこで意識は途切れた。