第1章 出会い
ヨナsideー
凄く心地がいい
お香の香りかなぁ…
微睡みながらゆっくりと目を開ける
知らない天井
知らない香り
「ここ…どこだ…」
するとすぐ近くから男の人の声がした
「お目覚めですか?お嬢さん」
まだ怠い身体を上半身だけ起こす
声の主の顔をみた
満面の笑みで私の手を握り
「寝顔も素敵だが、起きた顔も格別美しい、
身体の調子はどうかな?」
「はぁ…お、お陰さまで大丈夫のようです、はい」
すごくキラキラした顔の男の人がいた…。
「あ、あの、ここはシンドリアですか?
どうして私はここで眠っていたのでしょうか?」
「ああ、ここはシンドリア。
君はたまたま、俺が散歩中に見つけたんだ
道端に倒れていたところを
そして、ここに連れて帰った。」
「そうだったのですか…
ご迷惑をお掛けしました…
シンドリアに入国したまでの記憶はあるのですが…」
「心配いらない、ここなら安心だ!
そうだ、君の名前を教えてくれるかい?
これも何かの縁だろう?
俺の名前はシンドバッド!この国の国王をやっている!」
「あぁ、国王様でしたか、そりゃ安心だ…
………ぇ?」
「ああ、安心だろう?さぁ君の名ま…」
「ひぃやぁぁぁぁぁ…(小さい悲鳴)
もっ申し訳ありません!こっ国王様」
慌ててベッドから飛び降りるもまだ
力の入らない身体ゆへ
そのまま床にスライディングする
顔面から行ったものの痛みより姿勢を正すことを優先する
「度重なるご無礼、どうか御許しください!
私の名前はヨナと申します!」
「だ、大丈夫か?気にする事はない
俺が助けたくて連れてきたのだから!
それより手当をしよう、美しい顔が台無しだ
鼻血が出ている。」
ああ。なんて失態…