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プリンセスロード

第10章 揺れる想いと、突然の訃報


「今日の紅茶は、オレンジ・ペコですよ。レン王子とは順調ですか?」
自国で普段過ごしている部屋よりも3倍は広いスイートルームでリオンが微笑む。

知ってるくせに……。
なんとなく悔しくて、私は素っ気なく答えた。
「……まぁね」

「それは何よりです。ではティータイムが終わったら……始めましょうか」
漆黒の瞳が色っぽく揺れる。私は鼓動の速さに反比例して、無言で時間をかけて紅茶を味わう。

本当は味なんて全くわからないんだけど。「こんなのおかしい」「こんなことダメだよ」頭の中を渦巻く言葉は口から出る前にしぼんでいく。

私が紅茶を飲み干すと、待っていたかのように薄い唇が重なる。始めはついばむような交わりだったのが段々激しくなり、温かい舌が私の口の中を味わう。
じっくりと時間をかけて……。

「んっ、あ……んんっ」
また、この時間。王子と親しくなればなるほど、密度が濃くなるこのレッスン。
どうして拒否できないのかもわからないまま頭は真っ白になっていく。

「感度がいいですね。これならばきっと、王子もお喜びになるはず」
楽しんでいるような、それでいて苦しそうな低い声と共に首筋から下へ唇が降りていく。

「んんっ。そこは……まだっ……だめっ」
いつの間にかはだけられた胸元にリオンの唇が触れて、私は思わず悲鳴に近い声を上げた。

「……まだ……?」
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